たかがCM、されどCM

ちょうど2年くらい前、いまのアパートに入居した翌日だったか、まだ荷物も片付かないうちに玄関がピンポンと鳴り、NHKの人が立っていたのには恐れ入った。当時はまだ東京のマンションで受信料を払っていて、一人で2か所居住状態だったから、一度に両方では絶対見られません!と事情を説明して福島のほうは免除してもらった記憶がある(その後こちらに契約住所変更したが)。

ちゃんと受信料払っているから、というわけではないが、大人になってから見るテレビはもっぱらNHKだ。民放のバラエティ番組みたいのはあんまり面白いと思わないし、なによりコマーシャルがうっとうしい。もっとも、NHKでも演歌番組が始まると他のチャネルをザッピングすることはあるが、結局すぐに消してしまう。

でもこの正月明け、たまたまどこかの民放番組が面白くて1時間以上見続けた。すると当然コマーシャルが頻繁にはさまる。久しぶりに見るCMって、実はけっこう新鮮であった。いろんな資源と手間暇とプロの技が凝縮された15秒。まさに「作品」だなあとあらためて感心するものもあった(でもあんまり頻繁だとやっぱりうっとうしいが)。

そして、そういう車とか食料品とかの華やかなCMに交じって出てくる、地味な「静止画CM」とのギャップがまた新鮮。ローカルでしか流れない地元企業の「動かないCM」、そういえば、子供のころ神奈川テレビをつけると、たいていコマーシャルは静止してたっけか(今はどうなんでしょう)。

NHK福島のニュースでは、天気予報と同じノリで、「それでは今日の各地の放射線量です」というコーナーがあって最初はおどろいた。東京の新聞では福島第一原発が事故後どうなってるかなど、もうほとんど報道されないが、福島の地元紙にその話が載らない日はない。沖縄の地元紙に米軍基地の話が載らない日がないのと同じだ。東京を離れて「別の場所に来たな」と感じる機会のひとつが、こういうメディアの情報の違いに触れたときである。ローカルCMは見逃していたが、それも地方暮らしの「味わい方」のひとつかもね。

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