桃にまみれて桃になるの巻

夏は本業が若干スローになるので季節労働をしようと、今年は農協で桃の出荷作業のバイトを始めて3日目になる。

c1b5f772-13c9-4ad1-b3e2-50a240e58d8d.jpg去年の夏バイトは、キュウリ農家さんだった。その時の話は以前に書いたとおりで(こちら)、肉体的に大変だったけどとても勉強になった。ただ、予想外の拘束日数と期間になってしまったため、今年はもっと融通の利く短期の仕事にしようと探した結果、ついに農協デビューとなったのである。

桃は何種類もあるが、主力の「あかつき」の出荷最盛期は7月末から8月中旬。その間、私のような多くの短期アルバイトが派遣会社を通じて各地の共同選果場に集められ、農協職員といっしょに作業するわけだ。私か派遣されている選果場の場合、ピーク時には1日の出荷量がなんと100トン!にもなるという。すごいなぁ、日本人てそんなに桃好きだったっけ。いや、ここから出荷する先は日本国内だけではない。先日はタイへ輸出される桃の出発式というのもあった。

生産者から集められた大量の桃をひたすらさばいていく作業は、農業というより完全に工場労働である。長いベルトコンベアーが何レーンも並ぶ広い構内、指示は司令室からマイクで行われ、きっちり決められた休憩時間はサイレンの音が鳴るまで持ち場から離れてはいけない。もちろん朝礼もある。すごい、ホントにテレビで見たような「工場」だ。こういうところで働く日が来るなんて、東京時代は想像もしていなかったが、どんな仕事でも一度は経験してみるものである。

さて、私は春先に桃の摘花バイトをやったことはあるが、できた実の選別や箱詰めはもちろん初体験だ。アルバイターは普通、初心者でも比較的簡単な箱詰めを担当するらしいのだが、私はどういうわけか最初から選果の方に配属になってしまった。周りはベテランのおばさま方(私から見ておばさまであるから、おそらく60代から70代とおぼしきご婦人方)ばかり。その厳しいご指導をいただきつつ、桃の色や傷、柔らかさ等で選り分け方を学ぶ。

流れていくベルトコンベアに遅れまいと、次から次へ桃を見つめて触り続けること1日実働8時間。3日もやればなんとかコツがつかめてきて、今日数えてみたら1分間に平均20個ぐらいを選別しているので、単純計算すれば8時間でなんと9,600個!

立ちっぱなしで足がむくんだり、桃のウブ毛で手が痒くゴワゴワになるのは、まぁいちおう想定内である。去年のキュウリバイトに比べたら肉体的にはまだ楽だ。

ところが、びっくりしたのは家に帰って鏡を見たら、自分が桃に見えたこと!本当に、自分の顔や手足の皮膚が桃の肌に見えるのである。その話をおばさまの一人にしてみたところ、彼女も最初の頃、作業後は白いタオルが桃色に見えたそうである。人間の視覚というのはオモシロイ。

ただでさえこの時期の朝食フルーツは毎日、桃(もちろんご家庭用の二級品だよ)。あと数日の農協バイトだが、終わるころにはすっかり桃人間に変身しているかもねw


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冷や汁+甘酒=いいね

昨日の福島市は久しぶりに朝から晴れていたが、入道雲がモクモクと立ち上がった典型的な夏空で、案の定夕方には雷が鳴って雨が降り出した。「天高く」という秋冬の晴天に対して、夏の晴天はたしかに空が低く感じる。本当は見上げる空=宇宙に「高さ」はなく、あるのは雲の高低くらいなのだけど、そういう表現はまことにジコチューな人間らしい。甘酒冷や汁の朝ご飯福島県はいちおう東北地方なので東京より涼しいと思われているが、何度もいうとおり福島県は広大である。涼しいのは標高の高い山地と海風が吹くいわき地方だけだ。内陸の盆地である福島市街の夏の暑さは県民の間では有名で、先週はずっと36度超えだった。福島駅前の温度計の40.8度という表示を見てさすがに驚いたが、あれは暑さでセンサーが壊れたのか。

こう暑いとさすがの私も多少は食欲が落ちて、さっぱりしたものが中心になる。最近のお気に入りは冷や汁だ。どこかでそれに甘酒を足すというレシピを見て、やってみたらハマっている。そういえば、福島に来てから甘酒を買う頻度がかなり増えたと思う。東京のスーパーってこんなに甘酒たくさん売ってたかしら?こちらでは、砂糖入りの「まがい物」を除いても、たいてい数種類の甘酒が売り場に並んでいる。先月は手作りのも頂いた。

「飲む点滴」というキャッチーなコピーはだれが考えたんだろう。米麹だけの自然な甘さはまさに「滋養」という言葉がふさわしい。豆乳で割るのは以前からよくやっていたが、味噌とも合うというのは発見だった(考えたら同じ原料だから当たり前か)。他にも探せば甘酒レシピはいくらでもあると思うが、どうも料理のレパートリー拡大を楽しむような性格ではないため、しばらくは甘酒冷や汁のヘビロテが続くと思われる。

あーこんなどうでもいいブログを書いてる暇があったら原稿かけよー自分(ー ー;)


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Perspective and imagination

本当に。雨がたくさん降っただけで、本当にこんなにたくさん人が亡くなってしまうものなのか。いま私にできることは多少の寄付と、天に向かって「もう勘弁してください」と祈ることくらいだ。

「自然のおそろしさ」などというが、恐ろしいのは人間から見た場合であって、巨大な台風も地震も津波も噴火も、「自然」の側からいえば淡々とした物理現象に過ぎない。そういう現象自体は人間の力でどうしようもないが、それによって人間の身に降りかかる災いの程度は、人間の側の準備や工夫によって減殺できる可能性はある。それをしなかったために被害が出た(増えた)と判断されれば、その部分は「人災」と呼ばれる。

7年前の東日本大震災では、津波は天災だから仕方ないが、原発事故は人災だったということになっている。でも、あれほどの高さの津波が来ることを想定してしかるべき対策をとっていなかった、という意味で東電が「有罪」なのであれば、あれほどの高さの津波が来ることを想定して、しかるべき高さの防波堤を建設したりまじめな避難訓練を実施したりしていなかった、という宮城・岩手の沿岸自治体、あるいは国も、同じように「有罪」ではないか――。そういう視点があることを最近になって知り、私は妙に納得した。別に東電を無罪放免すべきとは言っていないが、物事を見るにはパースペクティブが必要だということだ。

実際、津波被害が甚大だった宮城県の一自治体で震災伝承活動をしている人は、「ちゃんと準備をして正しい判断をしていれば、あれだけの人数は死なずに済んだはず」という現実に向き合う必要を訴えていた。

天災がおこると、どこから先が「人災」なのかという議論は時間をおいて大抵出てくる。その際、犯人捜しも必要だが、自分自身にも「やればできたのにやらなかったこと」がないか、一人ひとりが省みることでしか、本当の「次への備え」は生まれないと思う。

・・・などと解説者気取りのことを偉そうに言えるのも自分が当事者ではないからだが、せめて想像をたくましくして、自分ならどうする、という思考訓練から逃げないでおきたい。

各地の災害で日常生活を失った人たちが、一日も早く心安らかな暮らしを取り戻せますように。


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おいしいTKGを食べて学んだこと

今日の福島市は、ここ数日のジトジト雨と打って変わってカラっとさわやかな快晴。雨の間はほぼ一日中、家にこもってPCに向かっていたので、今日は午後一のオンラインミーティングが終わったらとにかく一度外に出ようと決めていた。

普通ならいつもの荒川土手の散歩くらいで終わるのだが、今日はたまたまフェイスブックで近所の飲食店のイベントを発見。こだわりの養鶏農家さんのお話を聞いたあと、おいしい卵かけご飯(通称TKG)が食べられて卵のお土産ももらえる、というのにつられて直前に電話して滑り込む。

その卵の話でびっくりしたのは、我が福島市は卵の購入額が日本一なんだそうな!家に帰って統計局のサイトで調べてみると、たしかに僅差で日本一。ついでに納豆の購入額も、あの水戸市を押さえて日本一。へぇー。たしかに私自身、卵も納豆もよく食べる。ただ、それは私が準ベジタリアンで他にタンパク源がないからだと思っていたが、まったく関係ない様子。

たまご、納豆キャプチャ

出典:統計局 なるほど統計学園「あなたの地元が日本一!」

そして桃に至っては、2位の岡山市を倍以上引き離してダントツトップ。なぜかこれだけ購入額ではなく購入量だが、なんと全国平均の6倍もの量を消費している(しかし、量がこれだけダントツでも額が1位でないということは、単価がとてもリーズナブルということか)。福島市は桃で売り出そうとしているので、まずは市民が身銭を切って消費しているわけですなぁ。たしかに「福島(市)の桃」は、市民が県外に季節のギフトを贈る際の定番にもなっている。

桃、お菓子キャプチャ

ちなみに、桃の右にあるのが「他の菓子」でこれも全国一。「その他」というからにはおそらくチョコレートとかせんべいとかカテゴリが分かれてるのだろうが、このサイトでは抜き書きしてあるのでわからない。一方、福島市の広報2月号を見ると、菓子総合で福島市民の購入額は全国3位だそうである。たしかに、市内のコンビニでバイトしている関東出身の友人は「この辺のお客さんの菓子を買う量ハンパない」と証言していた。

ちなみに、同じ広報誌によると、福島市民は塩の購入額も全国7位と多いほう。つまりは味の濃いものが大好きな市民であり、必然的に?メタボ該当者割合も全国平均の14.4%を大きく上回る17.8%だそうな。いくら卵や納豆たくさん食べてもダメなのねぇ(笑)たしかに健康保険税も高いしねぇ(泣)

都会から「地方」にいけば自動的に健康的な食生活ができるかというと、それはまったくの幻想だ。自家菜園の収穫物で100%自炊を貫くという生活ならともかく、中食・外食を織り交ぜる場合、バリエーション少ないからいつも同じものになり、それもマジョリティが好む濃い味のものしかない。おまけに車社会で歩かないし、よほど気をつけないとむしろ東京より不健康だと思う。

TKG

そんなことを知り、考える機会となった、今日のTKGイベントでありました。(写真は、1つ100円のこだわり卵を麦飯に載せたTKG。白身と黄身を分けて載せ、最初は別々に味わうのが生産者さんオススメ。さすが、特に黄身のトロミが別次元。ごちそうさまでしたー)

追記:福島市民は、普段から1個100円という高級卵ばかりを食べているから購入額が日本一なのでは?と思われた方。たしかに放し飼い&こだわり飼料で高級卵を生産している農家さんは、今回のTKGイベントのゲスト以外にも県内に何軒かあるのは存じ上げているが、市内の産直やスーパーで売っているのはごく普通の、1個20~40円くらいのものだ。思い当たるのは、福島市は温泉が多く温泉卵が量産されているので、温玉の消費量が飛びぬけているのではないか、ということ。そういえば、スーパーにも普通の卵と同じくらい温泉卵が置いてある。ということで、福島市のお土産は温泉卵もぜひどうぞ!


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国鳥キジはなんと鳴く

近所の散歩コースである荒川土手には、ところどころに大きな木や茂みがある。今の時期、その中からはなんとも擬音化の難しい、いろんな鳥の鳴き声が聞こえてくる。

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名前が分かっているのは、まずカッコウだ。カッコウは日本語では「カッコー」と鳴くことになっている。しかし、私にはどうもそうは聞こえない。あえて書けば「ヒョッホー」だろうか。東京時代の私にとって、カッコウの鳴き声は優雅なマウンテンリゾートの休日とワンセットだったのだが、こちらに来たら意外に人里にもいることが判明し、若干興ざめしたと言えなくもない。

そして「キジ」。桃太郎の家来は「ケーン」と鳴いたらしいが、これまたどうやってもそうは聞こえない。めったに姿を見せないので、最初、人から音だけで「あれがキジだよ」と言われたときは、自分が理解しているキジとは別物なのではないかと思ったくらいだ。カッコウよりも擬音表現が難しく、鶏が首を絞められたような、としか言いようがない(といっても鶏が実際に首を絞められた声を聞いたことがないから、これも違うかもしれない)。

もちろん擬音化に限界はあるが、たとえば猫がニャーで犬がワンなのには、少なくとも日本人なら大抵合意するであろう。コケコッコーも、まあ近いと思う。しかしなぜあれがケーンなのか?理解に苦しむ。

ほかにも茂みや草むらからはいろんな鳴き声がする。鳥の専門家の間には、そのすべてに共通の擬音化表現があるのだろうか。チュンチュン、カーカー、ピーチクパーチク、鳥の言葉はわからないが、こちらは「おはよう」とか「どこいくの」とか人間語でコミュニケーションを試みる。あちらにはどう聞こえてるんだろうねw


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